Types of sheet metal processing板金加工・溶接・各種仕上げ加工について解説
板金加工の種類
板金加工とは薄い板状の金属素材に熱や力を加えて、「曲げる」「切る」「穴をあける」などの加工を行う作業のことをいいます。加工に使われる金属素材は、鉄やステンレス鋼、アルミニウム合金などが多く、金属の特性によって生じる微妙な伸びを計算にいれながら緻密な作業を行います。また、電子機器や、通信機器、半導体製造体機器の筐体や部品に使われることが多い精密板金加工では、真鍮や銅、りん青銅など難しい素材を板の厚さを3㎜くらいまで加工したうえで、厳しい寸法公差と精度が要求される難易度の高い加工を実現しています。板金加工には大きく分けると手板金と機械板金の2つの方法があります。それそれの加工方法についてご紹介します。
手板金について
手板金とは、ハンマーなどを使用して金属板に力を加えて形をつくる方法です。さらに、手板金には「打ち出し板金」や「曲げ板金(手曲げ)」という技法があります。具体的にどのような技法なのか、ご説明しましょう。
打ち出し板金
打ち出し板金とは、金属板をハンマーでたたいて立体的な形をつくる技法です。平たい金属板をハンマーでたたくと、金属板が内側に反り、少し曲がります。これを繰り返して、立体的な形に仕上げます。雪平鍋(ゆきひらなべ)、工芸品、特殊車両の部品など機械ではできない複雑な曲面をつくれます。
曲げ板金(手曲げ)
曲げ板金とは、機械を使ってある程度、金属板に曲面をつくり、さらにハンマーでたたいて形をつくる技法です。作業者は、曲げたい部分をハンマーでたたきますが、力の強弱によって曲面の加減が変わるため、たたく音や感触など作業者のカンや経験を頼りに製品をつくります。
手板金で使用する工具
板金加工では「切断」「曲げ」「溶接」「仕上げ」という工程ごとに工具を使い分け、金属板をあらゆる形に変えていきます。なかでも、ハンマーは大切な工具です。ハンマーは、ヘッドの形や大きさが異なるものが何本もあります。その他にも、板金ハサミ、ノコなどさまざまな工具があります。
機械板金について
機械板金とは、金属板を機械に挟み、その機械の力で形をつくる方法です。一定の品質を保ちながら、大量の金属板をつくることができます。最近では、作業者がボタン操作でできるプレス機械の導入が進み、「板金=機械板金」と認識されるようになりました。さっそく、板金加工の機械についてみていきましょう。
シャーリングマシン
圧力をかけて金属板を切断する機械です。データをもとに金属板を切り出します。
タレットパンチプレス(タレパン)
圧力をかけて金属板に穴を開ける機械です。文具の「穴開けパンチ」と同じ原理で、金属板に丸や四角などの穴を開けていきます。
プレスブレーキ(ベンディングマシン)
圧力をかけて金属板を曲げる機械です。家電やスチール家具などをつくるときに利用されています。
レーザー加工機
レーザーを照射し、金属板を加工する機械です。高精度の切断や溶接が可能なため、複雑な形状でも対応できるのが特徴です。
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